空間図形(発展)  解説

1. 図は一辺12㎝の立方体である。AP=3㎝、BQ=7㎝とする。
D,P,Qを通る平面でこの立方体を切ったときの切り口をDPQSとする。
ABCDEFGHPQS
(1) CSの長さを求めよ。
(2) 切断してできる立体のうち頂点Bを含む方の立体の体積を求めよ。

(1)
J 立体を平面で切断した場合、対面に現れる直線は平行になる。
この場合 PQ//DS, PD//QSである。
図のようにPからABに平行に線を引いて△PJQをつくると
△PJQは△DCSと全く同じ三角形(合同)になる。よってAP=BJ,JQ=CS
AP=3cm,BQ=7cmなのでCSは、7-3=4
答4cm

(2)
ABCDPQS図2 切断してできる立体のうちBを含むほうは図2のようになる。
このままでは体積を出すことができないのでさらに切断する。

図3 図3のように点D, B, Qを含む平面で切断する。
すると2つの四角錐ができる。
1つはDを頂点として台形APQBが底面となっている。
台形APQBはAP=3, BQ=7, AB=12なので
 面積 (3+7)×12÷2 =60
四角錐の高さAD=12なので
 体積 60×12÷3=240
もう1つはDを頂点として台形BQSCが底面となっている。
台形BQSCはCS=4, BQ=7, BC=12なので
 面積 (4+7)×12÷2=66
四角錐の高さDC=12なので
 体積 66×12÷3=264
これら2つの体積を足すと 240+264=504
答504cm3

2.  図のような1辺6cmの立方体がある。ACとBDの交点をO,
辺EF,FG,GH,HE,の中点をそれぞれP,Q,R,Sとする。
このとき四角錐OPQRSの体積を求めよ。
ABCDEFGHPQRSO

四角錐OPQRSの高さは立方体と同じ6cmである。
EFGHPQRS6cm6cm3cm3cm 底面PQRSは図のようになるので、
面積は正方形EFGHから三角形を4つ引けば良い。
6×6-3×3÷2×4=36-18=18
体積 18×6÷3=36

3. 図1のように底面がDE=EF=12cmの直角二等辺三角形で高さが6cmの三角柱の容器に水をいれる。それを静かに傾けて水をこぼしていき図2のように水面が3点B,C,Dを通る状態でとめた。このとき容器に入っている水は何cm3か求めよ。 図1ABCDEF図2ABCD EF

柱の体積 = 底面積×高さ
錐の体積 = 底面積×高さ÷3
体積を求める場合 
まず求める立体の形を見極める ・・・柱か、錐か、またはそれらの組み合わせか

錐の高さは頂点から底面におろした垂線の長さである。
図のD-BEFCは底面が長方形BEFCの四角錐である。
DE⊥BE,DE⊥EFなのでDEがこの四角錐の高さとなる。
よって
底面の面積 12×6=72
高さ 12
四角錐の体積 72×12÷3=288

4.  図の四角錐は側面が1辺6cmの正三角形になっている。点Pから側面を通り点Qまで行くときの 最短の道のりを求めよ。ただしCP=4㎝、AQ=2㎝である。 A B C D E P Q

立体側面を通る最短の道のりを求めるには
展開図を描いて、直線を引く。
展開図のうち、△ABCと△ACDの部分だけ描くと図のようになる。
AB C D P Q 6cm 4cm 2cm AQ=2cm, PD=2cmなので四角形AQPDは平行四辺形になり、PQ=DAである。
よってPQ=6cm


5.  図1のような紙コップがある。図2のようにこの紙コップを倒し、すべらないようにして床の上を転がすとき、転がし始めた位置に戻るまでに紙コップは何回転するか求めよ。 10cm6cm12cm図1 転がし始めた位置図2

紙コップを一周させたときに
口のほう(直径10cm)の円が通ったあとを実線で表し、
底のほう(直径6cm)の円が通ったあとを点線で表す。
点線で表した円の半径をxcmとすると
実線で表した円の半径は(x+12)cmである。
よって、点線の円周は2πxcm、
実線の円周は2π(x+12)cmとなる。
xcm12cm円周 2πx cm円周 2π(x+12) cm また、コップの口のほうの円周は10πcm、
底のほうの円周は6πcmである。
10cm6cm12cm円周 10π cm円周 6π cm 実線の円周2π(x+12)の上を10πの円が転がって一周するときの
回転数は 2π(x+12)10πとなる。
また、点線の円周2πxの上を6πの円が転がって一周するときの
回転数は2πxとなる。
これらが等しいので 
 2π(x+12)10π=2πx
 3(x+12)=5x
3x+36=5x
2x=36
x=18

2πxにx=18を代入
回転数=36π
=6

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